「好きなものが語れない人間に、人の心は動かせない」――『バクマン。』に学ぶ、“趣味力”と説得力の関係

どーも、奥野です。

経営でも営業でも、どんな仕事であっても「人を動かす力」というのは大きなテーマです。
人を説得し、納得させ、共感を得て、ファンになってもらう。
でも、その力を持っている人に共通しているある特徴に、私は最近気づきました。

「語れる趣味」がある人は、説得力がある。

このことを強く教えてくれたのが、
20年前に大ヒットした漫画――『バクマン。』でした。



●「好き」という感情が、人を巻き込むエネルギーになる
『バクマン。』は、漫画家を目指す高校生2人の青春と闘いの物語。
彼らは、ただ「漫画を描けるから」漫画家になろうとしたのではありません。

「漫画が好きでたまらないから」命を削ってでも描こうとした。

彼らが編集者を動かし、ライバルと認められ、
最終的に読者に届いていくその過程には、いつも“熱量”がありました。

そしてその熱量の源泉が、まさに「趣味=好きなもの」だったんです。



●趣味がない人の言葉は、どこか“借り物”に見える
営業現場でも経営の現場でも、
商品を説明するだけの人と、語る人がいます。

・「御社の課題にフィットします」
・「コストが○%削減されます」
・「他社も導入しています」

…こうした説明だけでは、人の心は動きません。

でもそこに、

「私自身、こういうことが好きで、この価値が“なぜ面白いか”を知っている」

という要素が入った瞬間、説得力が桁違いに上がる。

なぜか?
“好きなものを語る”経験が、その人の言葉を“自分のもの”にしているから。



●お客は、理屈ではなく“共鳴”で動く
『バクマン。』の主人公たちは、漫画を描くために、
映画を観て、音楽を聴き、小説を読み、アニメを愛し、
あらゆるジャンルに「ハマって」いきます。

趣味の深掘りが、そのまま“作品の深み”に繋がる。

私たちの仕事も同じ。
顧客に提案をするとき、その商品やサービスの世界観に自分がどれだけ没入しているかが、伝わってしまう。

趣味とは、“説得の土台”。
好きなものを自分の言葉で語れる経験がなければ、
人の心に届く説明はできないのです。



●趣味は“逃げ”ではない。“武器”である。
世間ではよく、「趣味が多いと不真面目」「遊んでるように見える」といった誤解があります。

でも私は、はっきりと言います。

「趣味を持たない人間に、人はついてこない。」

趣味は単なる娯楽ではない。
それは“自分の言葉を持つための土壌”であり、
「他人を納得させる力」を養う訓練でもあるのです。



●趣味のない人は、会話が浅い。説明が平坦。心が響かない。
過去成績が伸び悩んでいた社員がいました。
彼は真面目で、資料も丁寧。知識もあった。

でも、全然売れなかった。

よく話を聞いてみると、「最近何に熱中してるの?」という質問に、何一つ答えられなかった。
趣味もなければ、好きなものも特にない。
つまり、“自分の言葉”がなかったんです。

その後、彼は読書にハマり、映画を観るようになり、
趣味を語れるようになった頃には、提案が面白くなり、売上も上がっていました。



●あなたの“語れる趣味”は何ですか?
・少年時代に夢中になったもの
・最近、つい時間を忘れてしまうこと
・人に教えたくてたまらない知識

それが、あなたの説得力の源になる。

私が、これまで出会ってきた「信頼される経営者」は、
“語れる趣味”を持っていました。

あなたの趣味はなんですか?