「気分で人を操る者の末路」――『DEATH NOTE』が教えてくれた、支配ではなく信頼を軸にした経営

どーも、奥野です。

組織やチームの中で、ときにこんな人物が現れることがあります。

「その日の気分で言うことが変わる」
「自分のメンタルによって態度を変える」
「調子がいいときは周りを助け、調子が悪いと見捨てる」

一見すると“男らしく見える”このような振る舞いですが、私はそれを見たとき、ある漫画のキャラクターを思い出します。

それが――『DEATH NOTE』の夜神 月(ヤガミ ライト)です。



●支配と操作の先に、人はついてこない

夜神月は天才的な頭脳を持ち、デスノートという自由に人を殺害できる“絶対的な力”を手にした高校生。
彼は「犯罪のない理想の世界」をつくるという目的のもと、人を恐怖と操作で支配していきます。

部下となった人間にも、
味方のフリをした敵にも、
必要があれば“切り捨てる”ことをためらわない。

その一貫性のなさと冷酷さは、まさに「気分と都合で人を振り回す」リーダー像の象徴です。



●その日その場の判断が、信頼を削っていく

仮にあなたが社員の会社で、
上司が「昨日と言ってることが違う」
「なんとなく不機嫌だから却下された」
「お気に入りじゃないと意見が通らない」

…そんな態度をとっていたら、部下はどう感じるでしょうか?

答えは明確です。
「この人のために働こう」とは思えなくなっていく。

夜神月は最終的に、“誰からも信頼されないリーダー”として破滅していきます。
たとえ目的が立派でも、そのプロセスが「自己都合」や「気分」で支配されたものであれば、誰もついてこないのです。



●「軸を持つこと」が人を導くリーダーの条件

では、真に信頼されるリーダーとは何か。

それは、自分の軸を持ち、その軸に基づいて人と接する人だと、私は考えます。

・機嫌ではなく、価値観で判断する
・感情ではなく、理念で話す

人はだれしも、機嫌がいいときは褒めすぎたり許してしまう事があります。
ですが、前回はOKだったのに今回はNGとなれば

部下は、明確な基準値を理解することができず。自由に動くことができません。

本人はやさしさのつもりでも、軸のない判断では

一時的に人を支配することはできても、

信頼は“態度の安定性”と“誠実さ”によってしか積み上がりません。



●「私は神だ」ではなく、「私は信じている」で動かす組織へ

夜神月の有名なセリフに、

「新世界の神となる!」

という言葉があります。
でも、組織において神になるリーダーは、いずれ孤独になります。

社員やチームを“従わせる”のではなく、
信念と姿勢で“納得させる”のが、本物のリーダーです。



●感情で人を振り回す人は、長く信頼されない

私が尊敬するある経営者はこう言っていました。

「経営者にとって一番の武器は、“情緒の安定”だよ」

まさにその通りだと思います。

・気分で怒らない
・気分で褒めすぎない
・気分で判断をかえない

だからこそ、社員が安心して力を発揮できる。



●あなたの判断は、理念に基づいていますか?

今、チームや社員の前で下している判断は、
「そのときの気分」ではなく、「自分の軸」に基づいたものですか?

漫画の中の世界はフィクションでも、
そこから学べる“人間の本質”はリアルです。

人を支配するのではなく、信頼される存在でいたい――
私はそう強く思っています。