「人間とは…自ら檻に入る珍しい動物だな」――『アップルシード』に学ぶ、社内ルールとの向き合い方

会社経営していると、日々、さまざまな「社内ルール」を作ったり、整備したりする場面に直面しますよね。
その際に私の頭に浮かんでくるのが、『アップルシード』のこのセリフです。

「人間とは…自ら檻に入る珍しい動物だな」

ルールを作りたがり、守ろうとし、時にそれに縛られてしまう。
人間の本質を突いたこの言葉は、経営にも深く刺さると私は感じています。



●ルールは「守るため」ではなく、「自由になるため」にある
ルールを作るとき、私たちは無意識にこう考えがちです。

「ミスを防ぐために必要だ」
「トラブルを防止したい」
「全体を統制するために」

間違ってはいないけれど、それだけでは足りない。
ルールは本来、「より自由に、より創造的に動くためのサポート」であるべきだと私は考えます。

まるで、交通ルールがあるからこそ自由にドライブできるように。
社内ルールも、社員がのびのびと力を発揮できるために設計するべきです。



●「檻」をつくるとき、人は檻に囚われる危険性がある
『アップルシード』が警告しているのは、
「人間は、ルールに安心しすぎると、成長を止め変革を行うものを害そうとする」という危うさです。

・ルールだからできません
・マニュアルに書いてないので動けません
・規則に反するので新しいことはやりません

こんな組織文化が生まれてしまったら、会社はすぐに硬直してしまいます。

社長の役割は、
「檻を作る」ことではなく、「檻から自由に飛び出せる力」を育てることだと、私は強く思います。



●社内ルールを「檻」にしない3つの工夫
では、どうすればルールを「檻」ではなく「翼」にできるのでしょうか?

私が意識しているのは、この3つです。

目的を共有する
 ルールそのものではなく、「なぜそのルールが必要なのか」を必ず伝える。

ルールに例外を認める
 「この場合はリーダー判断でOK」という柔軟性を持たせる。

ルールを定期的に見直す
 変化の速い時代に、作ったルールを永遠に守ろうとしない。

ルールは常に「仮設」。
時代や現場に合わせて進化させることが、会社を生きた組織にしてくれます。



●「自分で檻に入らない」文化を育てよう
社員一人ひとりが、
「ルールを守るために働く」のではなく、
「理念を体現するために行動する」組織。

そんな会社こそ、強く、しなやかに成長していけるはずです。

そのためにも、
社長である自分たち自身が、「ルールに縛られない姿勢」を見せることが大切だと、私は信じています。



●あなたの会社のルールは、「檻」になっていませんか?
・現場の自由を奪っていないか?
・挑戦を妨げていないか?
・本来の目的を忘れていないか?



ときどき自問して、
社員のために、そして未来のために、より良いルールづくりをしていきましょう。