国立大学法人化から20年:財務状況と研究力低下への対応策

国立大学の法人化から20年が経過し、現在は82法人、86大学が独立して運営されています。しかし、この20年間で財務状況の悪化や日本の相対的な研究力の低下といった課題が浮上しています。文部科学省はこれらの問題に対処するため、有識者会議を立ち上げ、30日に初めての会合を開きました。

国立大学の現状と課題

有識者会議では、以下のような現状が示されました:

  • 運営費交付金の減少: この20年間で、国からの運営費交付金が1600億円余り、率にして13%減少しました。
  • 外部資金の増加: 一方で、企業などからの外部資金はおよそ5000億円増え、2.7倍となりました。
  • 授業料の据え置き: 国が定める標準授業料は53万円余りで、2005年から据え置かれています。各大学は標準額の120%を上限に設定できますが、標準額自体が長期間変更されていないため、教育経費の増加に対応するための財源確保が難しい状況です。

教育と研究のバランス

会議では、以下の点が議論されました:

  • 教育経費の不足: 研究経費に比べ、教育経費は増加しているものの、その増加に対応する財源の伸びがなく、教育の費用負担のあり方が問題視されています。
  • 外部資金の用途制限: 外部資金が増加しても、用途が限定されているため、毎年の額も定まらず、教育には十分に活用できないという現状があります。